HAUS | Hokkaido Artists Union studies

アーティスト

今村育子

xxxoo2@yahoo.co.jp

わたしは「間(あいだ)」について関心から、明るい部屋から暗い部屋へ滲みでる光、ドアの隙間から漏れる光、ガラスの反射など、相対する関係の間に発生する光のグラデーションをモチーフにし、主にインスタレーションや写真作品を制作しています。
文化、宗教、性別、年齢など多くの違いを抱えているわたしたちは、本質的にお互いを理解することは難しい状況に置かれています。その立場にならなければわかることができず、それは簡単に想像できることではありません。例えば子どもを産むことによる、女性の不自由さや社会の不寛容さは、わたしも自身が出産するまで、ぼんやりとしか捉えていなかったことに気づきました。誰もが同じ立場になることが出来ないとすれば、どのように見えないものに向き合い、知ることができるのか?わたしの問いはそこにあります。
 
光はおのおのの存在に覆い重なる柔らかな現象です。光のグラデーションは相対するものの間に現れる階調であり、相対する存在が歩み寄るなめらかな階段のようです。わずかな光や現象を能動的に知覚し、双方の間にあるグラデーションを丁寧に観察することがこの世界を捉える手がかりになると考えて作品化しています。

Reflection room/反射する部屋
2022年|インスタレーション|プリント、鏡、ガラス、電球ほか|12mのガラスケース2基に作品を設置
https://www.imamuraikuko.com
略歴
2006年より美術家として国内外で展示を行い、光のグラデーションをモチーフにインスタレーション作品を制作している。主な展覧会に2022年「RIMOKON」Artothek,PLATFORM(ミュンヘン)、「Muroran Art Project」室蘭、2019年「第7回札幌500m美術館賞入選展」500m美術館(札幌)、2018年JRタワー・アートボックス授賞作家展「拡散した光彩たち」プラニスホール/札幌、2017年「家族の肖像」本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌)、2016年「ともにいること ともにあること」北海道立近代美術館(札幌)、2014年「札幌国際芸術祭2014」500m美術館(札幌)、「AKARI reflection|ひかりの連鎖」モエレ沼公園 ガラスのピラミッド スペース2(札幌)、2011年「Living Art」札幌芸術の森美術館(札幌)など。2011年より札幌駅前通まちづくり株式会社へ入社し、「シンクスクール」「PARC」「パラレルミュージアム」などの企画やデザインを担当する。
Eröffnung der Ausstellung Rimokon, Artothek München|2022
むこうの部屋/Room Over There
​2018年|インスタレーション|木材、壁紙、電球ほか|w1000×h300×d500cm
わたしのおうち|2006