HAUS | Hokkaido Artists Union studies

藤谷康晴さんと伴走#1

EZO PUNKS!
展示会場探しで札幌放浪

2022.10.10
text 櫻井ヒロ(HAUS)

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作品展示場所探しで札幌放浪

HAUSサバイバルアワード個別編にて、画家の藤谷康晴さんから相談を受けました。
藤谷さんはハイパードローイングという過剰な線描と色彩で絵を描く手法で作品を作っていて、今回は彼が8年かけて作り上げた江戸の大首絵をベースにして作られた作品シリーズ「EZOパンクスの肖像」全32点(作品のサイズは123×88cm、96×69cm)を長期間展示(1カ月くらい)できる会場(既存の場所ではなくラジカルなロケーションが望ましい)を探したい、ということでした。

2022年10月10日に¹なえぼのアートスタジオで待ち合わせをしました。一階のギャラリーで海外のアーティストさんの展示も開催しており、会場候補の下見も兼ねて。
その後車の中でミーティングをしました。コロナ禍でパブリックな場での長時間の話し合いが難しくなり、車の中などで話す機会も増えました。窓を開けて全員が同じ方向を向いて話せるというのが良いです。
藤谷さんはが画家業と共に高齢者介護の仕事もされていて、施設の感染状況によっては打ち合わせを延期せざるを得ない事もありました。

藤谷康晴さん作品「EZOパンクスの肖像」の一枚

果たして個展は開催できるのか!?

車内では「※²PROJECTAさんの美術家支援プログラム『※³サッポロアートインデックス』に申請するのはどうか?」という話になりました。申請の〆切が迫ってましたが、作品全部を展示できる大きな会場、かつ長期展示したい、という藤谷さんのこだわりを鑑み、今回は申請を辞退することに。
驚きました。ダメ元でも申請して通れば、数万円~多ければ数十万円かかる個展の為の資金が手に入るのに…。また助成事業に採択されると、開催期限があるので嫌でも背中を押してもらえる、そういう良さもあるのです。うーむ…信じられない、これが「EZOパンクス」ということなのだろうか…。

本当に個展は開催できるのでしょうか。伴走者である私の頭の中は予想外の出来事がおき、エラーが起きています。この感じ、子育てとよく似ています。自分のフレームの外に連れていかれる感じ。はい、嫌いじゃないです。口が開き力が抜けます。個展開催のめどは立っていませんが、そもそも私の仕事は個展を開催することなのだろうか…あぁ、ぐるぐるしてきた…。今日はもうこの辺にしておきましょう。

とにかく、近頃アート不感症気味の私には、気づきの多い第一回目のミーティングとなったことは間違いありません(笑)。
今後、この展示の顛末はこのホームページでリポートしていきたいと思います。

藤谷康晴さん作品「EZOパンクスの肖像」の一枚

※¹ 元缶詰工場を改装し、札幌を活動拠点とするアーティストが中心となって運営、管理を行っているアートスタジオ。
10組以上のアーティスト制作スタジオ群をはじめ、日本で最も古くから続いているアーティスト・イン・レジデンス、写真スタジオ、不動産店、いくつかの企画ギャラリーなどが入居している。
naebono なえぼのアートスタジオ

※² 一般社団法人PROJECTA(プロジェクタ)—展覧会の企画、公共空間でのアートプロジェクトの企画運営、まちづくり活動、コミュニティスペースの運営、アートスクールの企画運営など、現代美術を軸に「社会を柔らかくする」活動を続けている。
一般社団法人PROJECTA

※³ 「アーティストの普段の活動」を支援することを目的に、PROJECTAが実施した芸術家支援プログラム。 令和4年度 札幌市文化芸術創造活動支援事業。
Sapporo Art Index

藤谷康晴
1981年3月11日生まれ。北海道在住。ハイパードローイングという技法を用いて、「異形の存在」をテーマに、ドローイング作品を制作している。
藤谷康晴/YASUHARU FUJIYA WEBSITE