HAUS | Hokkaido Artists Union studies

活力が生まれる場所 Seesaw books

2023.3.15 text 奥村圭二郎(HAUS)

今年のHAUSの活動にとって、とても大事な場所である書店「Seesaw books」。この記事では、ここがHAUSにとってどんな場所かお伝えしようと思います。

東京で出版社に勤められていたオーナーの神輝哉さんは、2014年に札幌へUターンしゲストハウス「UNTAPPED HOSTEL」をオープンしました。事業を進められてきましたが、2020年に発生した新型コロナウイルスの影響により事業継続の岐路に立たされていたある日、ネットカフェ難民記事を見て「北海道の労働と福祉を考える会」へ連絡し、「UNTAPPED HOSTEL」の別館を使ってシェルターを始めることになったそうです。そして翌年2021年8月には、本格的に困窮者支援をやろうと決意をされて、クラウドファンディング『札幌に、カルチャーと公共の境界線を溶かす「書店+シェルターをつくりたい!」』をスタートしました。コロナの影響で宿泊業も大変な時期になぜ始めたのか・・・?疑問に思い伺いましたが、「自分でも理由はうまく説明出来ない」と神さんは仰っていました。

HAUSでもサポートさせて頂いている株式会社トーチの佐野和哉さんと協力してクラウドファンディング(達成率488%)を行いました。神さんのメッセージが丁寧に綴られています。

HAUSが行ってきた「ハウス・サバイバルアワード」(以下、アワード)はSeesawbooksの2Fの一室を借りて進めてきました。2022年9月13日〜9月22日には、アワードに応募してくれた人たちから応募動機を聞く「オープンマイク(個別編)」を行い、9月19日には公開形式でも行いました。

オープンマイク(交流編)の様子。当日は多くのアーティストがプレゼンテーションを行った。

オープンマイクの後、いよいよ活動への伴走が始まってからもシェルターの1室をお借りしていました。この場所ではアーティストにインタビューをしたり、相談事を聞いたり、勉強会のオンライン配信を行いました。建物の雰囲気が醸し出す居心地の良さが妙にしっくりきて、和室で車座になって話を聞くと、ゴールの見えない話もだんだんと溶けていくような気がします。

「働くことと創作」についてアーティストの藤田冴子さんにインタビューを行なっている様子

3部屋という決して大きくはないシェルターですが、だからこそ制度から漏れてしまった人たちのために柔軟に対応する事ができる特徴がこの場所にはあると神さんは仰います。

シェルター、本屋、ゲストハウスの三つの関係をどんな場所にしたいか伺うと「活力が生まれる場所にしたい」と神さんは仰います。経営は順調にはいかない部分も多そうですか、色んな役割が詰め込まれて、色んな目的を持った人たちが絶えず流動しているこの場所は何か新しい文化が生まれそうな予感がします。

参考URL

UNTAPPED HOSTEL
Seesaw Books