HAUS | Hokkaido Artists Union studies

ポケット企画と伴走リポート#1

ポケット企画「おきて」大阪・札幌公演
ハラスメント対策にも配慮

2023.1.31
text 渡辺たけし(HAUS)

ポケット企画、大阪公演を成功させたい

2022HAUSサバイバルアワードに、大学生の三瓶竜大さんが参加してくれました。三瓶さんは、HAUSの賞金を自らが主催する劇団「ポケット企画」が行う大阪公演の資金としたいと話してくれました。

北海道を飛び出しいろいろな場所でパフォーマンスを行ってみたいというアーティストは多いはず。しかし、誰も知らない土地で公演を成功させると言うことは、簡単なことではありません。

学生であるならば、資金繰りやコロナ対応を含めて、さらにリスクが高くなります。そんな中、ポケット企画は自分たちで大阪公演を行い、大きな反響と手応えを得てきたようです。

劇団でハラスメントガイドライン作成

ポケット企画が行なっている興味深い活動は「ハラスメントガイドライン」作成の取り組みです。ワークショップなどを行う時にも、参加者が不安なく参加できるよう「ハラスメント防止にむけた取り組み」を提示しています。

2022年12月、ぼくも「ポケット企画『身体と演技』ワークショップ」に参加しました。ワークショップを進行する三瓶さんから「ハラスメント防止にむけた取り組み」が書かれたレジュメの説明がありました。ワークショップの内容自体も参加者の主体性に重きが置かれており、参加者との関係性にもこの「取り組み」の精神がいかされていると感じました。

2022.12.17『身体と演技』ワークショップ

演劇業界のハラスメント問題は後を立たず、ニュースなどでも内容を聞くたびに暗澹たる気持ちになります。20代中心で構成される「ポケット企画」が、率先してこの問題にとりくんでいることは、ぼくには心強く思えました。

劇団内での「ハラスメントガイドライン」の策定についてもHAUSに相談をいただきました。HAUSアドバイザーの方にも参加してもらい、数度のミーティングを行いました。今後、なんらかの形がつくられていくことを期待しています。

ポケット企画
2021年まで三瓶竜大(劇団清水企画)のソロユニットでしたが、団体化が決まり、現在までに三瓶竜大・佐藤智子・吉田侑樹・藤川駿佑の4人が所属しています。 毎週木曜日の定期稽古のほか、戯曲を読む会、事前批評会、ダンスレッスンなどをメンバー全員で企画、運営。他団体の俳優との勉強会や月に一度の観劇会なども精力的に行っています。“今”しかできない表現を大切に、文化全体の反映を願いながら日々創作活動に励んでいます。