HAUS | Hokkaido Artists Union studies

竹原圭一さんと伴走リポート

RED KING CRAB 「遭難」
中高生にナマの演劇を観て欲しい

2022.12.17
text 渡辺たけし(HAUS)

RED KING CRAB「遭難」に中高生を無料招待

RED KING CRAB「遭難」の公演が、2022年12月15日〜18日、生活支援型文化施設コンカリーニョ(札幌市)で行われました。

主宰の竹原圭一さんは、HAUSサバイバルアワードに参加し、HAUSからの賞金の一部を、コロナ禍で活動制限がかかる学生支援に使いたいと言ってくれました。今回の公演の中で「RED KING CRAB」は学生170人の無料招待を行いました。

実際に観劇した生徒さんからも多数観劇の声が届いているそうです。下記は、札幌市内の高校1年生の感想です。

「・・・2人の本音を言いあうシーンでは、追い込まれた時に垣間見える人間「欲」が演技に見え隠れしていて、遭難することの恐怖や1人で山小屋に留まることがどれだけ本人にとって孤独なことだということが伝わってきました。・・・
私もいつか、今回見させていただいた「遭難」のような巧妙に作られたセットと美しい音響・演出の中で自分の演技をしてみたいと思いました。・・・」

また、竹原さんは学生が公演するときの機材提供などの費用として、HAUS からの支援金の一部を使ってくれています。

極寒のTHE ICEMANSアジトで稽古

THE ICEMANSのアジトで稽古をするRED KING CRABの皆さん

また、HAUSサバイバルアワードで知り合った美術制作集団THE ICEMANSとも意気投合。今回の「遭難」は雪山が舞台ということもあり、恵庭市にあるTHE ICEMANSの広大な庭で、外稽古を行なったそうです。

以下、極寒稽古を体験した竹原さんの感想です。

「HAUSの活動を通じて、アーティスト同士のつながりができています。外での稽古は、五感で感じる大切さを痛感しました。
例えば夜になって、暗く、冷えて来た時に感じる火の暖かさと灯り。暗闇の怖さ。
火の付け方一つにしても、芝居の中では些細な仕草の一つでも、それら一つ一つに確かな意味があって、稽古場での稽古よりも遥かに雄弁だったように思います。」

竹原 圭一
2013年6月22日RED KING CRAB発足後に居酒屋やbar、音楽ライブ、ショーパブ等の幕間等でパプォーマンスを一年間行い、現在は劇場での演劇公演を主に活動中。
RED KING CRABの代表。既成台本を除くこれまでの作品の脚本、演出を勤める。
演劇活動の旁で、小学生、中学生、高校生の学生向けのワークショップや地域のお祭り、福祉施設等で演目を披露している。
2023年なんでも屋を開業。

THE ICEMANS
タケナカヒロヒコ(造形作家・思想家)、Alidad Kashani(芸術家)、上野かな子(デザイナー)、を中心メンバーとして活動。 2006〜2019年 ニセコを中心に冬のアートイベントを企画運営。 2017〜2020年 知床流氷フェスティバル会場にて氷の建造物を制作。 2020年以降コロナ禍では、自然と人間の繋がりに主眼をおき、道内の様々な場所で巨大なバルーンを使った氷のドームを制作。個人宅の庭先に一晩でアートを出現させるプロジェクト、”THE ICEMANSキノコのように降臨”をスタート。 活動を記録した映像作品はYoutubeチャンネルTHE ICEMANS DANCEで公開中。 冬の楽しみを通して自然との調和を提唱している。